渡辺図鑑 3

 

 



4月に入って、しょうたはお花いっぱいで凄く綺麗な河原に連れてきてくれた。

『うわ〜〜〜〜すっごいねここ!綺麗!!!』

「ふふ、だろ。今日は、お花を楽しむ日に決定〜!!!」

『はーーーい!!』


この日は、ほんとうにお花を楽しんで、花冠を2人で作ったりした。
しょうたはわたしより、早くて上手に花冠を作る。本当に器用だなあ、って感心しちゃう。


「さやか、こっち向いて。はい笑って。(笑)」

しょうたが頭に乗せてくれた花冠をつけたわたしにばっかりカメラを向けてくる。

 

そういえば、しょうたは最初の狩りのときから、カメラを持ってきて、植物を撮ったりしていた。

 

『もういいよわたしばっか撮らなくて〜!(笑)』

「すっごいいい顔してるから、さやか。」

なんて言うからちょっと柄にもなく照れてしまう。
しょうたがずっとニコニコしてカメラ向けてくるから笑っちゃうんだよ。


その日は2人で自転車のカゴに、作った花冠を入れて帰った。



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何回目かの狩りの日。今日はだいぶ水場に近いところの草を採りにきた。

 

 

実は私、植物図鑑を買いました!家でしょうたにはこっそり草の名前とか勉強してる(笑)

 

勉強した草があるから嬉しくなっちゃって水場まで走る。

名前を言ってしょうたを見れば

 

「よく知ってるじゃん(笑)すごいねさやか。」

 

ってほら、優しい笑顔で褒めてくれる。

 

だから嬉しくて、ちょっと調子に乗りすぎた。

草のところに走ろうとしたら、滑って転んでしまった。

 

「さやか!おい大丈夫か?」

 

立てるけど足が痛い。挫いちゃったみたい。
水場で滑ったから片足が靴まで濡れて冷たい。

 

「足冷えるから、これ靴の中に敷いて?使って」

 

しょうたがわざわざカバンからハンカチを出してくれた。
ブランド物のハンカチ。

 

『あれ?しょうたこんなハンカチ持ってたっけ?』

 

「あーこれバイト先の人に貰った。」

 

わたしでも、絶対女の人だなってことぐらいわかる。

こんなハンカチ男の人が選ばないよ。

 

しょうたは気遣ってくれたし優しくしてくれた。なのに何故かもやもやしちゃっていい気がしない。

 

 

 

 

夜ご飯はまたしょうたが今日採った草を使って作ってくれて、今からしょうたはバイトに行く。

 

「じゃあ行くね、いってきます。あ、さやかおやすみ。今日はゆっくり寝てね。」

 

『うん。しょうた、いってらっしゃい。』

 

ドアが閉まると靴から見えてるハンカチを取り出して、洗濯機にいれた。

 

わかんない。自分でもわかんないけど、夜もずっともやもやして眠れなくて。
バイト先の人のこと、どうしても気になった。ただの同居人なのに。

 

 

気付いたらしょうたのバイト先に向かって歩いてた。